Vol.7 2006.1.20 - 2006.2.12
「西島治樹+新津亜土華」
新年を迎えて最初の展覧会、TAPサテライトギャラリー企画展Vol.7「西島治樹+新津亜土華」1月20日(金)−2月12日(日)は、幅広い年齢層の市民の皆様や、郊外からのアートファンにお越し頂き、盛況のうちに終えることが出来ました。
今回はIAMAS(岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー)出身のメディアアーティスト2人の競演となりました。西島はTAP2000、新津は記憶にも新しいTAP2006にそれぞれ参加経験があります。
大ギャラリーでは西島が4点のエスキースを展開。観客参加型のインタラクティブ装置『Pachinco OASIS』展示を記録した映像から成るエスキースAでは、偶発的に人間関係が形成され変化する様子をゲームとして楽しむことが出来ます。TAP出展後世界各地で高い評価を受けた『Remain In Light』のドキュメントを上映する傍ら、実際の装置が並べられたエスキースB。また『video gun(仮)』と『トンネル・プロジェクト(仮題)』の構想メモによってそれぞれ構成されるエスキースCとDは次回作への期待を高めたのではないでしょうか。エスキースが一堂に会することで、目に見えない事象をデータ化してアウトプットするという西島のスタンスが一層強く印象付けられる展示だったと思います。
一方小ギャラリーでは新津亜土華による触覚系インタラクティブインスタレーション『I WASH U』を展示しました。ボウルに張られた水に手をかざし洗う――その動きに呼応し、色鮮やかな光の粒子が周囲の暗い空間に飛散し、そこに浮かぶ「人間の経験や欲求の垢」を表象する物体に投影されます。子供から大人まで、不思議そうに手を動かしながら、ゆらぐ光を見つめる観客の姿が多く見られました。また本作ではこれまでと異なり、関係を持つ客体としての「U」が、主体「I」―すなわち新津にとって、未知である不特定多数が対象となっています。新津が一貫して扱ってきた主題、「妄想的コミュニケーション」の新たな展開を、今回の展示で感じることが出来ました。
(TAPサテライトギャラリーインターン・清水彩)
作品の詳細は以下をご覧下さい。
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