Vol.6 2005.11.12 - 2005.12.11
「一人抜けたら」「伝えたいのに届かない」 :島田忠幸
樹齢何百年という杉の木があります、それを見ている人達が「なんて立派な杉なんだ、たいしたもんだ感心した。」などと感嘆の声をあげる。しかし、その杉を支える根は人の目に触れる事無く、幹と同じように大地に深く力強く生えています。誰も見ることができません。それを見えるように感じさせるのがアートの仕事です。視覚像にしろ、あるいは観念にせよ、それら目に見えないものを感じさせるようにすることです。
犬の鎧もそんな発想から生まれました。家の太郎に着せたら、と思うと何も無い空洞の中に太郎の顔が見えてきませんか。
さて、もう一つの作品「伝えたいのに届かない」。この作品は彫刻の中を移動しながら見るように作っております。足元を気にしながらの視覚系と触覚系の体験鑑賞になります。これが珍妙な海洋生物だとすれば、時代が奇妙なものだということです。
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