今回のフォーラムは2部形式で進行され、第1部のシンポジウムでは、「“ひと・まち・アートの交差点”とは?」というテーマのもとに、パネリストとして取手市長の塚本光男氏をはじめ、TAP2004出展アーティストである椿昇氏や、TAP2005招聘アーティスト・藤浩志氏らを迎えて白熱したトークが繰り広げられ、第2部ではTAP2005のプロジェクト各チームによる今年度の企画プレゼンテーションが行われました。
第1部のシンポジウムでは、TAPというアートプロジェクトを通して、取手がアートとまち、ひとをつなぐ“交差点”としてどのような可能性を含むのか、についてさまざまな意見交換が行われました。まず口火を切ったのは、昨年度、取手市内の田んぼで自身のプロジェクト「RADIKAL CARBON」を展開した椿昇氏。椿氏はまず取手の印象について「田んぼがかっこいい、川が大きい、Y字路が多い」とその特長を語る一方、「東京芸大があって人材が隠れているけれど、その芸大は取手の砦になってしまっていて関係性のプラットホームが見えない」と指摘しました。 また、今年度の招聘アーティストである藤浩志氏も「空が広い、解放感がある」と取手の自然環境に対する魅力を挙げると同時に、「人々の溜まり場がないように見える」と昨年度から数回にわたって取手市内を実際に歩いて感じた印象を語りました。
そして塚本光男・取手市長からは「文化によるまちの再生」を視野に、駅周辺や市内の施設利用についてこれからの可能性が語られました。人口減少によって統廃合される小学校の利用、TAP2005が展開する取手駅西口前の旧茨城県学生寮の跡地利用についても、国の支援を受けて再開発が行われるとのこと。またパネリストと会場の注目を一斉に集めた『アートライン構想』。塚本取手市長が提示したこの構想は、常磐線沿線をアートによってイメージアップすることを目指すものでした。「常磐線は、ターミナル駅ごとに文化的拠点ができている。上野の芸大キャンパスに始まり、北千住には来夏取手から移転する芸大の音楽環境創造科、松戸には芸大の留学生用国際交流会館やホールなど文化施設がある。柏は駅前のミュージアム構想が進んでおり、取手にも芸大、TAPといった資源がある。沿線市町村とJRとで連携し、常磐線を明るい『アートライン』にできないか。」TAPのステージである取手市を取り巻く新たな展開に椿氏や藤氏をはじめ他のパネリストも大いに刺激を受けたようでした。
続く第2部のプレゼンテーションでは、TAP2005を形づくっていく5つのプロジェクト・チームから各計画を紹介するプレゼンテーションが行われました。今年度実施予定の企画はオープンスタジオ、こどもプログラム、TAPヒルズ計画、サテライトギャラリー、球形ガスホルダーデザインコンペの5つ。それぞれのチームから、昨年の様子やイメージ画像を交え、プロジェクトの紹介が行われました。
今年度のTAP塾インターンが初めて自分たちの手で開催した第1回フォーラム。たくさんのご支援のもと、当日は多くの方にご来場いただくことができました。 「ひらかれるみち、つながるまち〜ひと・まち・アートの交差点〜」と題されたこのタイトルに込められたのは、TAPがひととひと、そしてひととまちをつないでいく交差点になれば、という思いでした。フォーラムの成功を糧とし、2005年のTAPはその思いを遂げるべく大きく動き出しています。今年のTAPはどうなっていくのか?今後の展開にご期待ください。