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  Vol.1 2005.6.3 - 2005.6.26



「受胎振動 2005 in TAP」  :銅金裕司(作家)

-生命の振動-
この振動の様子は生命のリズムを感じさせます。次々と流れ込む形は、傘のようでも、キノコのようでも、小さな生命のようでも、あるいは精虫(精子)のようです。その様子は、多様にゆっくりと変幻自在です。そこで、原初生命の誕生の意味を込めて作品名を「受胎振動」としました。淡水、塩水という性が交わるとき、そこで生命の端緒がつけられたのかも知れません。

-海洋と汽水域-
塩水振動子は海洋学者マーチンによって発見されました。重い海水が軽い海水の上に覆い重なる逆転層というものが実際にあります。私も昔、そのような研究していまして、いつか展示にしようと思っていました。

-淡塩水振動現象-
水槽には淡水が入っています。そこに仕切りのついた透明の円筒を入れます。
円筒の上部には塩水、下部には淡水があり、下部は水槽の淡水と連動しています。
はじめに、塩水は重いので円筒の仕切りの小さな穴から下の淡水のところに落ちてきます。しばらくすると、こんどは淡水が上にあがってきます。こうして、塩水と淡水が上がったり下がったり振動します。これを塩水振動子といい、カオスや複雑系あるいは生命を数学的に研究する場合には有名な現象です。この振動は数日続きます。しかし、その様子をそのまま見ても、陽炎や蜃気楼のようでほぼ見えません。そこで、塩水と淡水の密度差による屈折率の違いを利用して影絵にしてみました。すると、驚いたことに、なかなかにおもしろい形や動きが視覚化でき、とても綺麗なのです。

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