取手市立山王小学校は、約60名の児童が通う学校です。同校は令和3年度から学区を問わず通える小規模特認校となりました。取手アートプロジェクトでは、山王小学校・取手市教育委員会と連携して、芸術家が児童と通年でともに活動し、創造すること、表現することに取り組んでいます。
令和3年度(2021年度) 創造すること、表現すること 活動アニュアルレポート
デザイン:伊川絵理
この事業は、身近にある多様性・文化への親しさを育てること、子どもたちが持っている創造性と表現の力を伸ばしていくことを目指して、学校・市教育委員会・TAPの三者連携でスタートしました。令和2年度末にパイロット事業として実施した「となりのスタジオ」での実践を踏まえ、令和3年度は前期と後期の活動を通年で計画し、実施しました。
前期プログラムでは、海外にルーツを持ち、取手で学び制作する芸術家がスタジオアーティストとなり、学校の一角の教室を子どもたちと共に制作する「となりのスタジオ(The Studio Nextdoor)」をつくりました。令和2年度にこの活動のパイロットプログラムを共に実施したアーティストのクレメンタイン・ナットが今年度も活動のパートナーとなり、身近な場所にある自然の循環と素材を見つける「マテリアル・ガーデン」をテーマに子どもたちとの活動を重ねました。
撮影・編集:中川陽介
後期の活動では、本事業の立ち上げから監修を担う美術家の岩間賢(TAP半農半芸ディレクター)がパートナーアーティストとなり、壁画家・モザイチスタの鈴村敦夫とともに「大地からはじまること」に取り組みました。子どもたちの身の回りにある自然である土や木々を素材として手を加える方法を学び、思い思いに形づくり、野焼きをして土器をつくるという過程の中で、ゼロからのものづくりにじっくり向き合うことを試みました。
撮影・編集:中川陽介
2021 年度、初めて通年での取組となった山王小学校での「創造すること、表現すること」。一年生としてはじめて学校という場にやってきた子どもたちが、六年生になって学校を巣立つまで、表現を重ねていく。そんな時間軸をこの活動は持とうとしています。学校の日常を支える先生方との対話、一年を経ただけでも大きく変化している子どもたちと取り組む創造的な実験は、地域に向けて開きながらこれからも続いていきます。
令和3年度 取手市「創造する力、表現する力」を育むアーティストと児童の交流事業
主催 取手市教育委員会
実施校 取手市立山王小学校
協力 東京藝術大学グローバルアートプラクティス専攻 藤原 信幸 高倉 吉規 中島 裕子
記録 中川 陽介
プログラム・コーディネーター 遠藤 由子、雨貝 未来
プログラム・アシスタント 吉中 媛香
プロジェクトマネージャー 羽原 康恵
監修・運営 岩間 賢
運営・企画 特定非営利活動法人 取手アートプロジェクトオフィス