TAPの現在地 - 小規模特認校連携プロジェクト「創造すること、表現すること」

レポート:2023年度『大地からはじまること』第1回

終了しました 2023/11/18


 66人の児童が学ぶ取手市立山王小学校で、児童の自由な発想や体験を大切にしながら、児童人一人が自己を表現する力を育むプログラム。
アートNPOや芸術家が参画し、先生方や地域の方との連携のもと、今年度で3年目です。

 前期の「となりのスタジオ」に続いて、後期では、自然に向き合い制作してきた芸術家・神保惇さん、取手アートプロジェクト半農半芸ディレクターの岩間賢さんとともに、
「大地からはじまること」を展開していきます。
 3年目の今年も、山王の田んぼの土から作った粘土で陶芸
を行い、野焼きで土器を制作します。

 今年度の第1回目の活動では、児童のみなさんが2チームになり、体育館の外と中でそれぞれ交互に活動を進めました。

 まず、体育館の外では、児童たちが裸足で粘土を練る「足練り」と呼ばれる工程を行いました。

 児童たちが見守る中、足練りのお手本を見せる神保さん。素足で粘土を踏み込む姿を見て、児童のみなさんからは「うわあ!」という声がいっせいに上がりました。

「中心から外側に向かって粘土を広げるように」という神保さんのアドバイスを参考に、子どもたちも続々と足練りにチャレンジしていきます。

 最初は素足で粘土を踏むことに抵抗感を覚えていた子も、やり始めるとすぐに夢中になり、一生懸命に足練りを頑張っていました。

 いっぽう、体育館の中では、粘土で作品を作っていきます。今年は鉢植え作りに挑戦します!

 まず最初は、粘土をこねるところからスタート。先生達も手伝いながら、一生懸命に体重をかけてこねていきます。
 上級生は慣れた様子で、手早く粘土をまとめていました。

 粘土をこねたら、いよいよ鉢植えの形作りに入ります。

 今回は土台の上に太い蛇状の粘土を重ねて、器状にしていきます。
 陶芸家・神保さんが手早くお手本を作って児童たちに見せると、「すごーい」と声が上がりました。

 それぞれの児童たちは、目安になる指2本を粘土に当てながら、土台、壁づくりと少しずつ形を作っていきます。
 ハート形や四角形の土台に、果敢にチャレンジする子もいました。

「ちょっと側面が薄いかな。もう少し厚めに作ってみよう!」
「その調子! どんどん粘土つけていこう!」
 アドバイスを受けながら、それぞれ器の形を作ります。

 側面をよく見ようと寝転びながら作業する子、丁寧に表面の割れ目を埋めていく子など、それぞれのやり方で向き合っている姿が印象的でした。

 形を作り終わった鉢植えは、次の作業の時まで一旦置いておきます。
 次回は鉢植えの形を整えたり、表面に装飾をつけたりする予定です。

文:安富奏(TAP事務局)、杉野若葉(東京藝術大学音楽環境創造科 学生)

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