アートのある団地 - 宮田篤+笹萌恵「リカちゃんハウスちゃん」
終了しました 2018/03/31
3月2日、宮田篤+笹萌恵が2012年から連載してきたマンガ「リカちゃんハウスちゃん」の主人公・リカちゃんが、取手東小学校を卒業しました。
取手東小の学校行事「6年生を送る会」も終盤。校長先生が前に出て、会をしめくくる6年生へのメッセージがはじまる…かと思いきや、
「その前に先生、やらなきゃいけないことがあるんです。ちょっと、行ってきますね」
そう言い残してステージ幕の裏に姿を消す校長先生、どよめく児童たち…するとおもむろにステージの幕があいてスクリーンが現れ、「リカちゃんハウスちゃん」のマンガがはじまりました!
宮田さんのライブ手描きタイトルのあと、校長先生のナレーションで、井野小~取手東小で連載された「リカちゃんハウスちゃん」6年間のダイジェストが流れます。
校長先生「と、いうわけで、リカちゃんが小学校の全課程を修了したことを認めます。」
リカちゃん「え!マンガなのに卒業証書もらっていいんですか!?えーと…左手、右手、回れ右して…」
緊張しながら校長先生から証書を受け取るリカちゃん。1年生から6年生のみなさんと、保護者のみなさんと、先生方に見守られながら、ひと足先に無事、卒業することができました。
校長先生、教頭先生とお話をする中でふと生まれたアイディアから実現した、今回のサプライズ卒業式。
じっと画面を見つめる子、歓声をあげる子、隣のひととひそひそマンガの話をする子…マンガのことを知っていてもよく知らなくても、それぞれの気持ちでリカちゃんの卒業をお祝いしてくれていました。
最後にスクリーンに映し出された「リカちゃんハウスちゃん 最終回…じゃないよ!」の文字。これからマンガがどうなるかは、実はまだ決まっていません。マンガのゆくえはいつものように、またいろんな人たちとお話しながら、かたちづくられていく予定です。「リカちゃんハウスちゃん」はどこへゆくのか。乞うご期待です。
(すべて写真:許 力静)
宮田篤|1984年愛知県一宮市生まれ。愛知県立芸術大学美術研究科美術専攻修了、好きな食べ物はうめぼし。主な展覧会に2014年「美術館で夏休みーいつものミチのひみつキチ」刈谷市美術館(愛知)、2010年「ふしぎの森の美術館」広島市現代美術館など。2006,2008,2010,2011年に取手アートプロジェクトへ参加している。
笹萌恵|1986年東京都調布市生まれ。東京藝術大学音楽学部音楽環境創造科卒業、好きな食べ物はたまご。2009年よりユニット活動を開始し、全国各地で裁縫あそび「ちくちく地区」を展開している。取手アートプロジェクトでは2010年より「ちくちく地区:井野団地」を展開中。主に宮田が仕組みを、笹が裁縫を担当しているが、ちょいちょい入れ替わる。
総戸数2,276戸を数える取手井野団地。立場も世代も違う人びとの生活のただ中で、コミュニケーションを通じて変容していく場と表現。パートナーアーティスト、〇号棟の□□さん、▽から来た□□さん・・・ひとり対ひとりの関係性に基づいて起きる生活とアートの接触/同居/共鳴を通じて、「日常」の新たなかたちと可能性を探ります。