半農半芸 - TAKASU HOUSE
終了しました 2012/12/10
今回は、引き続き岡博美さんを講師として、天然の素材から顔料をつくり、それを素材として和紙に描画します。用いるのは5種の天然素材(コチニール、玉ねぎ、ロクウッド、紅茶、エンジュのつぼみ)。
お湯でゆっくりと煮出し、反応材(ミョウバン)を入れて発色させ、漉し、沈殿した物質が顔料となります。
今回の参加は東京芸術大学油画科の学生たち。東京大学上野校地の美術学部の実習室を会場に、
1日目は、和紙にまずは白で残したい部分を元糊(ぬか、米粉、塩が原料)で描きました。
2日目は、それぞれ前の授業を終えた学生たちがちらほら会場の実習室に集まってきます。
和紙の白く抜きたいところに、「糊」を塗って、あるいは描いた上に、今日は天然の顔料で着色していきます。
岩間さんが昨日じっくり煮詰めて作ってくれた、という5種類の顔料を用いて、
それぞれ、糊の上から黙々と着色していきます。
その一方、傍らで版画専攻の方がシルクで天然顔料を試す風景も。(これが実はまた良い仕上がりと好評!)そのような実験が行われつつも、着色の行程は進みます。黄系の顔料で描いた箇所の上に、木酢酸鉄を溶かした溶液で描くと、オリーブ色に発色もする、という実演が。
学生のみなさん、それぞれこだわりのもとに着色を続け…終わった人から作品を乾かし、すべて乾いたら、水の中へ。糊を落とします。
しばらく水に漬けておくと、固まっていた糊がふやけ、徐々に画面から外れていきます。
外れると、意図していた着色が外れてしまったり、逆に思いもかけない効果が出たりと、
それぞれ水場は画面の変化に無言だったり、互いの作品に触れる言葉が出たり。
最後に平たいところで乾かして、講座は終了です。土台となる和紙、防染のための糊、そして着色の顔料と、すべてが天然のもので構成されたひとつひとつの作品は、さまざまなモチーフではあったものの、どこか親しみやすい色味と風合いを持つようでした。