アートのある団地 - そうぞうする団地

そうぞうする団地 実験パートナー #012:オンライン・オレンジカフェいこい Online Orange cafe IKOI

開催中 2025/07/11


暮らしながら、それぞれが”そうぞう”することを通じて、 少し先のまちを手づくりする。
取手井野団地ではじまっています。

今回は、井野団地や取手のまちで生活している方とともに、少し先のこの地域・この社会に必要な「仕組み」を実験し、団地を起点に将来の設計をつくっていくことを目指して活動するパートナーとその取り組みをご紹介します。

 

そうぞうする団地についてはこちらから

 

#12では、オンライン・オレンジカフェいこいさんをご紹介。
オンライン・オレンジカフェいこいさんは、取手にて認知症当事者やそのご家族などに向けた活動をしてきました。今回そうぞうする団地では、活動をもっと地域へひらいてゆき、一緒に考える輪を広げていきます。

実験パートナー

 

オンライン・オレンジカフェいこい Online Orange cafe IKOI

取手市において、「オレンジカフェ」(認知症本人・家族や地域住民等が幅広く交流する場)とは別に、認知症本人同士が不安や意見を語り合うための集いの場である「本人ミーティング」を毎月1回開催。団体代表であり日本認知症本人ワーキンググループ会員の藤井康彦が、若年性認知症当事者である丹野智文さん主宰の「おれんじドア」等を巡って学んだ運営の考え方等について、取手市高齢福祉課、市内地域包括支援センターと協議を重ね、高齢福祉課主催により活動が始まる。コロナ禍において「本人ミーティング」が中止になるなか、オンラインツールを利用して本人・家族とのつながりを維持するために独自で「とりでオンライン・オレンジカフェ」を開始。現在はオンラインでの参加も可能なハイブリッド型の「本人ミーティング」の実践を、高齢福祉課、市内地域包括支援センター、「日本認知症本人ワーキンググループ(取手)」と共に行う。

 

これまでの活動
2018年12月 取手ウェルネスプラザ会場にて「本人ミーティング」スタート
2020年3月 コロナ禍により「本人ミーティング」中止
2020年12月 「とりでオンライン・オレンジカフェ」立ち上げ(オンライン)
2021年6月 「オンライン・オレンジカフェいこい」設立
2021年12月 本人ミーティング再開(ハイブリッド型)    以降継続

活動内容について
「本人ミーティング」は1時間45分のプログラムで、参加者の近況報告、事務局からの話題提供等(認知症基本法概要等)の後、本人・家族に分かれ情報交換・交流や専門職への相談を行っています。会場外(東京藝大取手校地やランチミーティング)での開催や、農場(Dガーデン)での収穫体験等の企画も織り交ぜています。
「とりでオンライン・オレンジカフェ」は1時間で、本人・家族の他、地域のケアマネジャー等も参加しています。

また、国際アルツハイマー月間の9月に、取手市の市民ギャラリーで認知症に関する作品展が開催されます。「本人ミーティング」として 2023年に初出展。2024年も引き続き参加し「本人ミーティング」で語られた本人・家族の言葉を本人・家族自身の手で作品に仕上げて市民に伝えました。
「広報とりで」(2022年9月1日号)掲載
「広報とりで」(2024年9月1日号)掲載

チームメンバーが作成した、認知症本人・家族の何気ない言葉を吹き出しにして表現したポスター/本人・家族の本人・家族の体験談から認知症の人の気持ちをわかりやすく伝えるための漫画。

 

 

 

 

 

 

そうぞうする団地での活動について

「いのだん、認知症でまちびらき」

若年性認知症当事者の丹野智文さん(右)と藤井康彦さん

開催予定:2025年8月24日(日)「認知症とともに楽しく生きる」開催
                会場:井野公民館 講師:丹野智文
     2025年9月(予定)「いのだん・オレンジ倶楽部(仮称)」結成
     2025年10月(予定)「認知症サポーター養成講座」開催
     2025年11月(予定)「本人ミーティング」開催(以降、毎月1回開催予定)
     2026年1月(予定)「寺子屋オレンジ塾」開講(以降、毎月開催予定)

65歳以上の高齢化率が5割を超し、高齢者の多くが一人暮らしである井野団地で、認知症は実は身近なことです。
認知症が心配で、あるいは認知症と診断されて落ち込み、家にこもりがちな人もいるのではないでしょうか。
私達は「新しい認知症観(*1)」にたち誰もが認知症を自分ごととして考え、認知症の本人やその家族、地域で暮らす人がゆるやかにつながり、医療介護の専門職、行政と連携し「認知症の人もそうでない人も住みやすいまち」を作りたいと考えています。

井野団地やその周辺地域で「認知症の人もそうでない人も住みやすいまち」づくりに関わってみたい人たちとともに、「いのだん・オレンジ倶楽部(仮称)」を結成し、「本人ミーティング」をはじめとしたゆるやかな集まりをひらいていきます。
そして将来的には、「寺子屋オレンジ塾」という、認知症本人や高齢者が介護・支援される一方の立場ではなく、井野団地やその周辺で暮らす人たちが高齢者に学び、フラットな立場で多世代が交流できるような場をひらくなど、様々な実践を広げていきたいと考えています。

*1:「新しい認知症観」とは、認知症になったらなにもできなくなるのではなく、認知症になってからも、一人一人が個人としてできること・やりたいことがあり、住み慣れた地域で仲間達とつながりながら、希望を持って自分らしく暮らし続けることができるという考え方です。(厚生労働省「認知症施策推進基本計画」(2024年12月))

登録・お申し込み方法

  • 情報発信メール メンバー登録

認知症について、興味はあるけど知識がないし、たくさん関われる自信はない……そんな方でも大丈夫です。
少しでも、情報が知りたい!見守ってみたい!と思った方はどなたでもご登録いただけます。
こちらのフォームよりご登録ください。

  • キックオフ講演会「認知症とともに楽しく生きる」お申し込み

こちらのフォームよりお申し込みください。

 

活動への想い

現在取手市で行われている「本人ミーティング」は通常JR取手駅前の取手ウェルネスプラザで開催しています。交通至便な地に立地しているものの送迎が難しいことから参加ができていないとの声もあり、運営に関わる中で、取手市内各地、徒歩圏で参加しやすいそれぞれの地域での「本人ミーティング」開催が理想であることを感じていました。
そのような考えをあたためていたところ、取手アートプロジェクトの企画として井野団地における「そうぞうする団地」プロジェクトが立ち上がり、「本人ミーティング」で以前取手アートプロジェクトとご縁があったことも後押しになり、今回「いのだん、認知症でまちびらき」という、「本人ミーティング」に留まらないまちづくりの実験にチャレンジすることにしました。

認知症と診断され、不安な気持ち、ひとりではうまく表せないでいる様々な思いや願いをもつ認知症本人が、仲間と出会い、安心して率直に内面や本音を語り合うことで、お互いが楽になり、元気になれる場を新たに「井野団地」にオープンすることを試みます。同時に家族や近しい人同士が、それぞれの希望や悩みを語り合う時間も設けて、本人と家族がそれぞれの思いを共有することで新たな気付きとつながりを産むことができればと思っています。
そして、認知症になり、また高齢になってできなくなることは増えても、好きなこと、得意なこと、まだできること、新しく始めたいことがあるはずで、支援される側に回る、という意識をまず変えてゆきたい。そのきっかけとして、認知症の人や高齢者は介護され支えられるだけの人ではなく、その方々から学ぶ場、フラットに関わる機会をつくりたいと考えます。

今回の「そうぞうする団地」では多くのパートナーが企画を立ち上げています。それらのパートナーの実験を複合的に組み合わせたり、「たいけん美じゅつ場 VIVA」のアート・コミュニケータ任期修了者(~で・トリばァ)等とも連携することで、アート活動を通じた新たな交流を育みたいと考えています。
(オンライン・オレンジカフェいこい」代表 藤井康彦)

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