作家プロフィール

公募選出アーティスト

団地でレジデンスあなたならどうする?をテーマに作品プランを募集。83組の応募の中から選らばれた13組のアーティストがそれぞれの視点で取手井野団地を切り取り、団地の室内、建物、外壁、公園などさまざまな場所で作品を展示します。

奥健祐+鈴木雄介 Kenyu Oku+Yusuke Suzuki

井野団地足湯プロジェクト

団地の公園の横にある小さなこども用プールは、夏以外は閉鎖されていて誰もいない。そのプールを足湯に変身させることで、ひとときの間「季節はずれのプールに人が集まる風景」をつくる。無料で利用できる足湯が団地内の新しい憩いの場となる。

プロフィール
TAP2008参加のため結成したユニット。共にSurvival in Tokyo lab.の一員として制作活動中。その主なプロジェクトに「Hitching the sky」などがある。08年「川俣正[通路]展」(東京都現代美術館)参加。

奥中章人 Akihito Okunaka

world-danchi

一本の針金を巨大な球体に編み上げることで、遠近感を消失する不思議な空間をつくる。細い網の重なりによってできあがる不確かな視界が、壮大なダイナミズムの存在を予感させる。球体は団地内を縦横無尽に転がりまわり、人や風景との交りを築いていく。

プロフィール
1981年京都府生まれ。静岡大学教育学部卒業。01年から東海圏のオルタナティヴスペースで巨大なサイトプロジェクトをおこなう。07年リトアニアでの国際展参加を皮切りに海外での活動計画を活発におこなっている。

オニワラボ×グリーン情報 oniwalabo×green-joho

PUBLIC FURNITURE for 井野団地

植物を使った作品「mother」「coronet」「PANGAEA」を設置することで、団地にすでにある良さを見つけ出すためのきっかけとする。普段の暮らしの中では当たり前すぎて通り過ぎていた、そこにある愛を見つけ出すための家具たち。

プロフィール
東京芸大(先端)在学生を中心とした7名で結成。「庭」に関連ある事柄についての自主研究会。取手市を拠点に活動。花と緑の専門情報誌として30年にわたり園芸・花卉産業を取りあげてきた「月刊グリーン情報」が企画協力。

カトウチカ Chika Kato

List

記録者と通過者そして夢を見る者が住む3つの部屋をつくる。「Recorder, Passenger, and Dreamer」部屋を訪れるとその気配だけが残っている。ところどころに残された見えない洪水の痕跡「Invisible flood」。人びとは、すでに世界が架空の洪水で覆われていたことに気付くだろう。

プロフィール
東京都在住。東京芸大(油画)卒業。映像や写真、ドローイングなどのメディアでインスタレーションを展開。06年「水をハコブ」(BankART)、08年「Between」(Azabu Art Salon Tokyo)など。

毛原大樹×中島佑太 Hiroki Kehara×Yuta Nakajima

井戸端ラジオプロジェクト FMゆめ団地

団地にお住まいの奥様からお子様まで、みんなで集まれるコミュニケーションの場「しゃべる井戸」をつくる。そこは聴くラジオではなく、観に来てしゃべるラジオ放送局。誰もが番組作りに携わることができ、訪れた人の井戸端会議がそのままラジオ番組になる!?

プロフィール
毛原大樹、中島佑太によるユニット。05年「FMヨコトリ」(横浜トリエンナーレ2005)をきっかけに自由ラジオをおこなう。07年-08年「コジマラジオ」、ラジオとワークショップの連動企画番組「中島☆記念日」など。

佐藤未来 Miku Sato

FUTON project

見慣れた景観に変化を起こすことで、団地全体をジャックするプロジェクト。レジデンス期間を通して、使っている人の匂いやぬくもりが染みついている布団を、一斉にベランダに干してもらうことを目指す。そのプロジェクトのドキュメント映像を展示する。

プロフィール
1985年神奈川県生まれ。武蔵野美術大学在籍。日々の生活や海外旅行時に感じる日本文化や社会の矛盾、愛国心などをもとに、さまざまな素材、メディアの作品を制作。08年「トーキョーワンダーウォール」入選。

柴田祐輔 Yusuke Shibata

ヘイ!カモン間接照明

団地はかつて、漠然とした豊かさとおしゃれの象徴であった。その一室を可能な限り間接照明で演出する。システムキッチン、炊飯器、脱ぎ捨てられた衣服など、室内のありとあらゆるものを間接照明にしてしまうことで、その演出は意味を失う。豊かさの輪郭が浮かびあがる。

プロフィール
1980年福岡県生まれ。武蔵野美術大学大学院美術専攻版画コース修了。イメージがつくりだす現実との違和感に注目し、版画、映像、写真、インスタレーション、パフォーマンスなどさまざまな表現手段で作品を制作している。

DiYメディアセンター Do-it-Your Media Center

団地Utd.(だんちユナイテッド)

取手から世界へ。世界の団地から未来の団地へ。カフェに設置されたステーションでは取手井野団地のアーカイヴを展示し、インターネットで世界の集合住宅を結ぶ。現場密着型のメディア活動体として情報収集発信を通じてコミュニケーションとネットワークを創出する。

プロフィール
TAP2008参加にあたり楠見清、久木元拓、山口祥平、大岡寛典により結成。編集、文化政策、ドキュメンテーション、グラフィックデザインなどの手法を融合し、芸術と社会のシステム形成を目指すメディアアクティヴユニット。

日本大学佐藤慎也研究室 Shinya Satoh Studio, Nihon University

+1人/日

団地の一室に、1人が入居する。次の日に2人目が来て、一緒に暮らし始める。1日ごとに1人ずつ居住者が増えていき、最後には21人の共同生活となる。次第に狭くなる空間のなかで、1人分の生活スペースをどう確保してゆくか。工夫と創作の過程を公開する。

プロフィール
佐藤慎也(日本大学理工学部建築学科助教)を中心とした研究室。07年「蔵メール」(himming2007)。08年「U41@NU 40歳以下の日大出身建築家展」(日本大学理工学部CSTギャラリー)の企画、制作、展示構成デザインを担当。

畑山理沙 Risa Hatayam

隣の山田さん

団地の住民へおこなったアンケートやインタビューを基にして短編パフォーマンス・ビデオ3編を制作し、それらを団地の外壁に同時投影するインスタレーション作品。現代の家族像や団地生活の実情など、さまざまな要素をコメディータッチで描く。

プロフィール
岩手県生まれ。カナダ在住。コンコルディア大学写真科卒業。存在主義やシュルレアリスム文学に強く影響を受ける一方で、写真やビデオなどをベースとした独自の多感覚型のインスタレーションを中心に制作を続けている。

宮田篤 Atsushi Miyata

おちゃ感(TIME AFTER TIME TEA TIME AFTERNOON)

百日オセロ、ちらし彫刻、微分帖、おとしりとり、きらきらつり、なまえネックレス。ユニークな視点で生み出された遊びを通して、団地の人びととのコラボレーションを模索する。遊んでできたものは団地の一室に展示され、お茶を飲みながらいつでも気軽に美術で遊べる部屋を公開する。

プロフィール
1984年愛知県生まれ。08年片岡球子奨学基金でオランダ短期滞在。人との関わり合いをテーマに作品を制作。07年「はくぶつ感」(U8projects)、「びじゅつ感」(名古屋市美術館)、08年「しょうがく感」(ARCUS)。

柳川瀬祐子+工藤千尋 Yuko Yanagawase+Chihiro Kudo

彼女はあの日、メリーゴーランドに乗りたかった

ある女の子が住んでいた部屋。そこには女の子が幼い頃から大切にしてきた古ぼけた人形、食べかけのケーキと飲みさしのジュース、甘ったるいような、乳くさいような匂い、声。そういったものが散らばっている。団地の一室に置き去りにされた、どこか懐かしい空間をつくる。

プロフィール
柳川瀬祐子と工藤千尋によるユニット。柳川瀬祐子1981年兵庫県生まれ。日常にある音や機械を壊した音、人の声などを楽器と織り交ぜた楽曲制作をおこなう。工藤千尋1981年秋田県生まれ。物と言葉による物語を作り続ける。

吉永ジェンダー Yoshinaga Gender

吉永ジェンダー取手ジャンププロジェクト

いつもの団地の風景の中で、高々とジャンプした男の不思議な写真。吉永ジェンダーって誰?何者?10月から団地のあちこちに出現していたポスターの謎と既視感は「ジャンプ」を凝縮したインスタレーション「吉永ジェンダーランド」で明らかになる。

プロフィール
1978年生まれ。主に己をテーマとした写真作品や、過度に装飾的な彫刻作品を制作。バカバカしさやロココティックな華々しさを好み、みための面白さを追求する。07年「SA・KURA・JIMAプロジェクト2007」参加。