アートのある団地 - そうぞうする団地
開催中 2025/04/29
今回は、井野団地や取手のまちで生活している方とともに、少し先のこの地域・この社会に必要な「仕組み」を実験し、団地を起点に将来の設計をつくっていくことを目指して活動するパートナーとその取り組みをご紹介します。
未確認歩行物体 Mikakunin Hokou Buttai
未確認歩行物体は、東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻に所属する川本早花と菊地晴によるアーティスト・コレクティブ。2024年結成。
「装飾/有態」「フィクション/アクション」「モード/カジュアル」などをキーワードに、パフォーマンスとアクトのはざまから、現代社会への介入を模索中。「ひとり歩きするオブジェクト」と、それらに付随する場を提示することを目指してプロジェクト型作品を展開する。
東京藝術大学学内展の他、2024年向島EXPO出展、2025年浦安藝大「パブローブ in浦安」関連イベントをアトレ新浦安にて実施。
Instagram(@mikakunin_hokou_uwo)
「一団の生地、余地、あるいは土地」
実施日時:2025年4月19日(土)(トークイベント登壇・スパイスカレーの会開催)〜6月頃まで 週2回程度(予定)
場所:井野ショッピングセンター内「105」
団地の方から集めた「勝負服のクローゼット」を作ります。
今は着られないけれど捨てられないかつての勝負服から、今も自分を応援してくれる勝負服まで募集します。どんな「勝負」のために着た服なのか、エピソードを伺いながら、その交換不可能な装いたちを、独自のアイテムやスペースへと転用させたプロジェクトを構想しています。
勝負服に加え、アトリエに貸し出しても良い家具なども募集中です。
他にもカレーを食べる会や映画鑑賞会なども企画しているので、軽やかで期間限定の(居)場所を作るためのプロジェクトを展開していきたいです。
幼い頃のふくらんだスカートへの憧れや髪に大きなリボンをつける喜びなどの単純なおしゃれを経て、何故おしゃれをするのか考えてみた時に、「服の力を借りたいから」という理由があった。
おしゃれをしていると、体重の増減や学校のこと、恋人の有無を聞かれないで済んだ。「私」ではなく「それ(装い)」の話になることが私のサバイブ方法だったことがある。
本当におしゃれな人は、おしゃれであることが自然で、毎日がおしゃれなのかもしれない。「勝負服」なんてそもそもダサいかもしれない。服ごときで気負ってしまって恥ずかしい。
それでも、私は気負ってしまうことを愛おしいと思うし、それぞれの「勝負」を抱きしめたい。(川本)
私は取手市のURで生まれ、公営団地や賃貸マンションを転々としながら育った。生まれてこのかた一軒家には住んだことがない。
画一化された住居、合理的に密集する生活、それが当たり前だったけれど、奇妙でもあった。コンクリートを隔てて、私たちはこんなにも近くにいるのに、それぞれの地平にまったく違う営みがあった。
やはりまだ、私たちの生活は、代替(オルタナティブ)可能じゃないのだと思う。
勝負服は—例え大量生産された既製服であったとしても—代替不可能である。ときに身勝手で、どこか野暮な、私たちの「勝負」は祈りにも似ていたし、団地での日々にも似ていた。(菊地)
「勝負服のクローゼット」では、今は着られないけれど捨てられないかつての勝負服から、今も自分を応援してくれる勝負服まで募集します。
どんな「勝負」のために着た服なのかぜひ聞かせて欲しいです。(未確認歩行物体)