半農半芸 - 藝大食堂

レポート:野外舞台に向けた小文間ツアー!

終了しました 2022/08/17


 みなさんはじめまして、学生スタッフとしてTAP半農半芸に関わっている杉野若葉です。
 現在TAPでは、小文間を題材にした野外舞台作品を上演する企画が進んでいます。私はこの企画以前から舞台作品を観たり演じたりすることに興味があり、「小文間の自然豊かな土地の中で作品を上演したら、いったいどうなるのだろう……!」とワクワクしながら、この企画に関わっています。

 小文間を舞台にした作品を考えるなら、まずは小文間を知ることから!
 というわけで先日、本作を手掛けるアーティスト・松原東洋さん、小文間地区に関しての研究をされているジョンさん、そしてTAPメンバーの学生で、小文間について知るためのツアーを行いました。

 まずは小文間公民館にて、ジョンさんから取手市の歴史や地理的な特徴について学びます。

 「取手の坂道愛好会」のみなさんが製作された小文間地域の地形図の模型を使い、小文間の過去と現在を見ていきます。 
 坂道が多いことが特徴の取手市。取手の坂道は、もともと北側に広がる田んぼと街を行き来する目的で作られたため、南北に伸びた形のものが多いそうです。
 「歩くだけなら平たんな道が一番楽だし都合がいい。にもかかわらず坂道があるのには、単に歩く以外の目的が必ずある」とおっしゃるジョンさん。たしかに、いつもなんとなく通っていた坂道ですが、農業のために考えて作られていたことを知ると、昔の人の営為が見えるようで、なんだかいつもと見え方が変わってきます。

 続いて、一行は取手市の指定遺跡、中妻貝塚へ。

 そこかしこに落ちている貝がらにびっくり。バスケットゴールが置いてあったり、草がボーボーに生えていたりと、一瞬「ここ本当に貝塚?」と疑ってしまうような出で立ちですが、確かに貝が埋まっているんです。 
 そしてなんと、貝がらがあるのはこの場所だけではなく、この写真の草むらを越えたあたりや、さらにその先に続く道にまで! 昔の人、どれだけ食べていたのか……。それだけ水的資源が豊富だったということなんでしょうね。
 噂では縄文土器も落ちているらしい(?)のですが、そんな場所が住宅地に平然と佇むようすに興味深さを覚えました。貝塚があった時代から、この地では絶えず生活が営まれてきているんだなあ、と歴史が今に続いていることを実感します。

 そして、海中山福永寺に到着。こちらも、小文間に海があったことを彷彿とさせるお名前です。

 海中山福永寺は平安時代、海中の波間から毘沙門天像が発見され、それをお堂に安置したことがはじまりだそうです。 
 一説では、毘沙門天像が〈小〉さな波の〈紋〉の〈間〉から出てきたため、この地域が「小文間」と名付けられたのではないかとも言われているんだとか!

 中妻貝塚や海中山福永寺のように、小文間と海との関係性が地名にも色濃く残っているこの地。海がない現在の茨城県南地域に、確かに海が存在していた痕跡がありありと残っているというのが、なんだか少し不思議な感覚です。

 ツアーを終えた車中では、「小文間に長く住んでいる方たちといっしょにまた小文間ツアーをやったら、資料には載っていないお話やエピソードがたくさん聞けそう!」と、東洋さんの新たなアイデアが生まれていました。今回周りきれなかった場所も含めて、ぜひ小文間の方々とも「小文間ツアー第二弾」やりたいですね!

 

文:杉野 若葉(東京藝術大学音楽環境創造科 学生)

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