2011年度のTAPは、前年度に立ち上げた複数年度をかけて進行するコアプログラム《アートのある団地》および《半農半芸》、そして従来より活動を展開している「こどもプログラム」・「国際交流プログラム」・「環境整備プログラム」のほか、新たに取手市及び近隣のアーティストおよびアート活動団体を支援する「中間支援プログラム」を加えて6つの軸での活動を展開する一年となった。
《アートのある団地》ではパートナーアーティストプログラムに加え、交流拠点Tappinoが立ち退きに伴い10m移転。福祉的機能も兼ねた多世代交流拠点「いこいーの+Tappino」として新たな市民参加を得ながらスタートし、日常に寄り添う形での芸術表現が生み出すコミュニケーションを積層していくことを試みた。また2012年度に本格始動するハード・ソフトから新たなダンチをつくる「ダンチ・イノベーターズ!」プロジェクトも発足、団地が担う新たな機能を提案・発信・実現していく。
《半農半芸》では、プロジェクトディレクターに岩間賢を迎え、市内に借りている500坪の畑地を主な活動拠点とし、土地とどう対峙し、暮らしていくのかを考え、探り、議論する1年間となった。駅前拠点ARTOSかも2階の「かもるーむ」では、アートとは異なる分野について学ぶ勉強会や、生きることと密接に関わる食に関するワークショップなどを開催。年度末には取手駅前にある市民ギャラリー・きらりを会場に、世代や価値観を越えて参加者同士が繋がるフォーラムを実施した。
本年度は2011年3月11日の東日本大震災および原発事故の影響を鑑みざるを得ない年となり、郊外都市で生きていくための新たな価値観・ライフスタイルを創造し、提案しようとする2つのコアプログラムにとっては、プロジェクトのスタンスを探り直しながら、参加する個々人が様々に考え、悩み、動いて行こうとする一年でもあった。本年度の活動は2012年度へと継続展開していく。
※2011年度活動報告書 pdf
2010年度は秋に会期を設定するフェスティバル型から、より日常的なアプローチを行うプロジェクト型へとシフトする変革の年となり、7月から2011年3月までの9ヶ月間、活動拠点であるTappinoを開くとともにさまざまな人びとの協働が発生するプロジェクト展開を試みた。 その活動の中で《アートのある団地》と《半農半芸》の2つの軸を立ち上げ、それぞれパートナーとなるアーティストとプロジェクトをつくりあげ、2軸のスタートアップの年となった。 そのほか、こどもプログラム、国際交流プログラム、環境整備プログラムも継続実施。
※東日本大震災の影響により3月下旬(20日・21日・24日~27日)に予定していたパートナー・アーティストとのイベント開催は中止となりましたが、3月27日(日)きむらとしろうじんじんの茶話会のみ形を変えた1dayイベントとして実施しました。ご支援・ご協力をいただいたみなさまありがとうございました。
2取手市近郊在住作家のアトリエ・スポットを巡るツアー「TAPトラベル」をメインに、過去最大の51件125名のアーティストによるオープンスタジオをおこなった。こどもプログラムでは、のりものをテーマにした作品を中国桂林市と相互に送りあい展示した。
リニューアルオープンした取手アートプロジェクトの事務所兼アートスペースTappinoでは、年間を通してイベントなどを開催し、会期中も人の集う場を作りあげた。
また、国際交流プログラムとして、3人の作家とスタッフを海外へ派遣し互いに交流をはかった。
ゲスト・プロデューサーにみかんぐみ(建築家ユニット)を迎え、団地で滞在制作と発表をおこなう作品を全国から募った。応募総数88件の中から13組を選出し、ゲスト・アーティストの齋藤芽生(画家)、生意気(クリエイティヴユニット)、Port B(演劇ユニット)、韓国との国際交流プログラムで相互派遣をおこなった6組の作品を公開した。また本年度のTAPは第23回国民文化祭・いばらき2008の「現代アートフェスティバルin取手」の一環としても位置づけられ、こどもプログラムでは身近にあふれるにおいや好きなにおいをテーマに児童作品展がおこなわれた。
取手市のみならず、利根町まで広がったオープンスタジオは過去最高の48件。また中村政人をプロデューサーに展開した「メタユニット_M1プロジェクト」にて9組のゲストプランナーが、ユニット住宅セキスイハイム M1 を再利用して建築や景観のあり方を提案した。駅前の開発途中の土地に作った会場拠点はらっぱ2007では、さまざまなイベントを行い、人々が集う交流の場所となった。また、児童作品展ではM1に関連して箱を題材にした作品を展示した。
ゲスト・プロデューサーに、野村誠(作曲家)・藤本由紀夫(サウンド・アーティスト)・ヤノベケンジ(現代美術家)の3人を迎え、広く全国公募をおこなった。応募課題は「街・音・かたち」。全国から応募されたアイディアやプランは総数253件となった。その中から総勢39組の企画参加者が選出され、メイン会場となった旧戸頭終末処理場のほかにも、取手市内のさまざまな場所で作品を展示した。
全11月のメイン会期では、旧茨城県学生寮の建物を「TAPヒルズ」と称し、その前にひろがるはらっぱのイメージから「はらっぱ経由で、逢いましょう。」というテーマが生まれた。オープンスタジオでは、取手市在住32組のアーティストのアトリエを公開し、バスツアーを実施。また、ゲストアーティスト・藤浩志のプロジェクト「かえっこ」を市内各所で開催した。
「1/2のゆるやかさ」というテーマのもと“4人の作家に若手が挑む”コンペ方式で11作品を選出。会期中は展示から参加型まで様々な形の現代美術が街中に出現し、ワークショップにもたくさんの人が参加した。また、新しくインターン制度(TAP塾)が導入され、プロジェクトの運営にも新しい風が吹き込まれた。
https://toride-ap.gr.jp/web2004/
アトリエ公開に加え、白山商店街の空き店舗を利用した期間限定の特設スタジオを開設。参加型、体験型のスタジオが多く、商店街には賑わいが見られた。壁画プロジェクトでは、東京芸術大学壁画研究室の学生と市民ボランティアを中心に、取手の歴史や自然をモチーフにした壁画「COLORS OF LANDSCAPE」が制作され、高架下が光と色彩に溢れる新たな都市景観へと変貌した。
https://toride-ap.gr.jp/2003-j/index.html
この年の野外アート展では、利根川河川敷周辺に「川」をテーマにした12作品が展開した。また、市民が中心となって進めた「舟プロジェクト」では、取手市周辺に残るサッパ舟を古利根川に集めて取手市と我孫子市を結ぶ舟橋を架けるなど、地域の歴史、環境に新たな視点を導入した。
https://toride-ap.gr.jp/2002-j/index.html
TAP2002 カタログ(2.33MB)
取手在住作家のスタジオ19箇所を公開し、市民に作品のみならず、作家や制作の現場にも直接触れてもらう機会をつくった。また、アーティストで文化人類学者でもあるリチャード・ノナス氏が取手市に滞在し、学生や一般参加者とともに「Unhouse Project」の公開制作をおこなった。
TAP2001 カタログ(1.31MB)
「家・郊外住宅~家と郊外をめぐる再発見~」というテーマでおこなわれた公募には、全国から131点のプロポーザルが寄せられた。選出された6名と招待作家3名による大がかりな作品が完成。街中にある廃屋などが作品と化し、人びとの記憶に残る出来事となった。
TAP2000 カタログ(1.14MB)
全国的な公募による野外アート展「リ・サイクリングアートプロジェクト」と、取手市内および近郊在住作家のスタジオを公開し、市民のみなさんにアート制作の現場を見ていただく「オープンスタジオ」を二本柱として開催。この2つは以後のTAPの核となり、毎年交互におこなわれている。
TAP1999 カタログ(2.47MB)
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01gyosei09_02000007.html
http://http://www.pref.ibaraki.jp/bukyoku/bugai/hisyo/news/news081113.html
http://www.suntory.co.jp/sfnd/prize_cca/list.html
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha06/04/041101_2_.html
http://www.takashimaya.co.jp/corp/csr/culture/fund.html
http://www.takashimaya.co.jp/corp/csr/culture/fund_list.pdf