アートのある団地 - 宮田篤+笹萌恵「ちくちく地区」
終了しました 2014/02/24
1か月ほどつづいた「ちくちくブライダル」展も、きょうで最終日です。
いこいーののボランティアスタッフさんから惜しまれつつも、大事にかたづけてゆきました。 お借りしていた「あつしくんあさみさんおめでとう」の旗はまたそれぞれのお宅へ戻ってゆきます。
会期中、色んな方が昔のご自身の結婚式のことなど思い返されたりすることがあったそうです。
われわれ自身も何度かお話をうかがいました。 みなさんそれぞれ、ご本人でないと忘れてしまうような、ちょっとしたことを大事に覚えているのだな、と改めて思ったのと、そんなお話を引き出せる展示ができたことを、きっかけをいただいたWさんに感謝したいと思いました。
われわれも片付けてしまうのがちょっともったいない気がしたので、展示の中の、ドキュメントの部分をブログにまとめてみました。 ご来場いただいたみなさま、お話してくださったみなさま、ありがとうございました。
【きっかけ】
いこいーののボランティアスタッフさんのための「ちくちく名札」を、Wさんが気に入ってくれたのが、ちくちくブライダルのはじまり。 結婚する娘さんにちくちくをプレゼントできないかしら?と相談を受け、一緒に旗をつくることになりました。
【ちくちく地区は2つできる】
ちくちく地区は、同じことばが2つできます。どんなことばにするか?どこに飾るか?がポイント。 Wさんと相談して、「あつしくんあさみさんおめでとう」という旗を、新居とWさんの家の2カ所にそれぞれ置くことに決めました。
【字数が多いぞ…】
「あつしくんあさみさんおめでとう」(15文字)×2本(30文字)の旗を1か月で、宮田+笹とWさんで制作するのはなかなか大変な作業です。 そこで、いこいーのにたまたま来ていたTさんとか、横でお茶していたご夫婦さんとかに、 お願いしたり興味を持って申し出ていただいたりして、なんとかみんなで完成させました。できあがったのは結婚式の2日前。
【完成】
せっかくできあがったので、いこいーので記念撮影。 旗があると祝う気持ちがなくても 祝ってる感じになりますね(もちろんみなさん祝ってます)。
【プレゼント そして結婚式】
できあがった旗は、箱にしまってプレゼント。 箱の中には、つくってくれた人や、旗をもってお祝いしている写真などをまとめた冊子も一緒にいれました。 Wさんに渡したその日のうちに、サプライズで娘さんに手渡されたそうです。 式当日には、会場の方の計らいで、参列者の方も見ることのできる、入り口に飾っていただけました。 そして、ひとつはおふたりの新居に、もうひとつはWさんのお宅にお嫁にいきました。 (だんなさまのご両親もいいなぁと言ってくださり、式後しばらくは、だんなさまのご実家に出張していたとか。)
宮田篤|1984年愛知県一宮市生まれ。愛知県立芸術大学美術研究科美術専攻修了、好きな食べ物はうめぼし。主な展覧会に2011年「1floor2011 道の草公園の壁」神戸アートビレッジセンター、2010年「ふしぎの森の美術館」広島市現代美術館など。2006,2008,2010,2011年に取手アートプロジェクトへ参加している。
笹萌恵|1986年東京都調布市生まれ。東京藝術大学音楽学部音楽環境創造科卒業、好きな食べ物はたまご。2009年よりユニット活動を開始し、全国各地で裁縫あそび「ちくちく地区」を展開している。取手アートプロジェクトでは2010年より「ちくちく地区:井野団地」を展開中。主に宮田が仕組みを、笹が裁縫を担当しているが、ちょいちょい入れ替わる。
総戸数2,276戸を数える取手井野団地。立場も世代も違う人びとの生活のただ中で、コミュニケーションを通じて変容していく場と表現。パートナーアーティスト、〇号棟の□□さん、▽から来た□□さん・・・ひとり対ひとりの関係性に基づいて起きる生活とアートの接触/同居/共鳴を通じて、「日常」の新たなかたちと可能性を探ります。