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終了しました 2026/03/13
井野団地や取手のまちで生活している方とともに、少し先のこの地域・この社会に必要な「仕組み」を実験し、団地を起点に将来の設計をつくっていくことを目指して活動している「そうぞうする団地」。
その中の活動のひとつ「いのだん、認知症でまちびらき」の井野団地での活動がスタートします。今回は、『旅のことばカード』を体験しながら、認知症について考えていることや日々の悩みなどをゆるやかに話し合う会をひらきました。

(当日は写真の記録を行わなかったため、会場で話されたことの随時おおまかな板書とともにレポートをお届けします。)
2025年8月にキックオフ講演会を開催してから、準備を進めていた「いのだん、認知症でまちびらき」。少しずつではありますが、井野団地での活動が始まります。
はじめの一歩として実施したのは、「『旅のことばカード』とすごすお茶会」です。
みなさん、『旅のことばカード』はご存知ですか?認知症の当事者やその家族、またその周りにいるみなさんが、それぞれの視点で簡単に実践できる「認知症とともによりよく生きるためのヒント」が書かれているカードです。
そのヒントは、実際に認知症になっても前向きに「よりよく生きている」方々の日々の工夫や考え方から抽出した、「どんな状況で」「どんなことが起こって・どんな気持ちになって」「どんな行動・対応をしたか」についてのことばたち。そんなことばたちが「本人」「家族」「みんな」の3つの視点に分けて紹介されています。
この『旅のことばカード』を用いて、自分や自分の周りの人が認知症になったとき、自分はどのことばを大切にしたいかを選んで、選んだ理由について語り合う時間をすごしました。
今回は、夏のキックオフ講演会にお越しくださった方や、「いのだん、認知症でまちびらき」の実験パートナーであるオンライン・オレンジカフェいこいとの繋がりがある方など、住んでいる場所も年代も立場もさまざまな方がご参加くださいました。
それぞれに認知症との距離感や関わり方は違えど、関心を持って参加してくださって、ご自身の立場からの内なる思いが滲み出してくる時間だったなと思います。また、お互いの言葉にしっかりと耳を傾けてくださっていたように感じました。

『旅のことばカード』を通じて対話をするのは初めての方がほとんどで、「旅のことば」から新たな気づきを得てこれからの行動に活かそうとしたり、自らの生き方の肯定感を高めたりと、心が揺さぶられた様子の方が多くいらっしゃいました。中には、涙を流していらっしゃった方も。涙を流されていらっしゃる方も。悲しい涙ではなく「自分のことを分かってもらえる場に来られて良かった!嬉しい!」という涙だったそうです。実験パートナーの藤井さんが「旅のことばカードマジック」と呼んでいる、不思議な場が生まれたように思います。
今回、さまざまな立場の参加者と対話をすることで、今まで自分の視点だけでは知ることのできなかったことを知ることができました。改めて、「認知症の方もそうでない方も住みやすいまちづくり」を考えるうえで、さまざまな視点から意見を交わすことの大切さを感じました。


一方で、今回のような集まりに来づらい方、一人で悩んでいる方などにどうやって足を運んでもらうかという課題も見えました。孤独を抱えている介護者や自らの行く末に不安を抱える高齢者の存在も浮き彫りになり、今後新たな企画や足をはこんでもらいやすくする工夫を考えていくべきだと感じました。
また、認知症の早期発見と早期治療のための専門クリニックである「メモリークリニックとりで」の先生をお迎えし、アイスブレイクとして「オンライン・デイケア」を行っていただきました。「オンライン・デイケア」とは、動画を見ればいつでも認知機能の向上や維持につながるトレーニングができるというものです。今回は椅子に座ったままできる体操をみんなで体験しました。
参加者からの感想で「みんなで体操、楽しかった」というコメントもありました。部屋で一人で体操しても面白くないし、続かないかもしれませんが、”みんなで”やることで気持ちが前向きになる可能性があるのではないかと思います。
この「オンライン・デイケア」のような、認知症に対するアプローチの手段を持っている地域の人たちとのつながりを大切に、今後の活動への活用やコラボレーションを考えていきたいと思います。
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認知症の方もそうでない方も暮らしやすい、認知症に安心してなれるまちを一緒につくりましょう!
レポート:TAP 田中天眞音、オンライン・オレンジカフェいこい 藤井・石山